NAS、いわゆるネットワークハードディスクの場合、NASのハードディスクを取り出してWindowsPCに直接繋いでも、データを見ることはできません。
これはNAS特有のものであり、内蔵ハードディスクやUSB接続の外付けハードディスクとは明らかに違いがあります。
ですので、やはり分解など行わずに、データ復旧のご依頼をしてください。
ネットワークハードディスクというのはUSB接続の外付けハードディスクとは違い、コントローラ部分があります。
言い換えると、ネットワークハードディスクとは小型のパソコンである、と言えます。
ですので、ハードディスクは当たり前ですが、パソコンを構成するものが一通り揃っています。
CPU、メモリ、それを搭載するマザーボード、電源ユニット(ACアダプタ)、などなどです。
そしてOSはLinux系のカスタマイズされたものということになります。
もっとも、モニタもキーボードもマウスもないパソコンではありますが、別のパソコンからリモート操作で操作するという仕組みとなります。
ということは、NASの場合はパソコンと同様な故障が起こるということになります。
つまり、NASはハードディスク以外の部分が故障しても、やはり機能しなくなるというわけです。
下記で説明するような、RAID構成で冗長性を持たせても、それはあくまで「ハードディスク障害」に対する対処であり、それ以外の部分の故障には役に立たないのです。
NASの場合、複数のハードディスクを搭載していてRAID機能などを有しているものについては、特に取り扱いに注意が必要です。
RAID構成のNAS(あるいはサーバー機)の場合は、RAID1を除けば、データは複数のハードディスクに分散して記録されています。
ハードディスクをあわてて抜き出して、その後戻す際に順序を間違えるだけで、データ復旧作業に多大な悪影響を及ぼします。
また、メーカーの説明書どおりにリビルドを行った場合でも、リビルド中に別のハードディスクが損傷したり、リビルドに失敗したりすると、最悪の事態を迎えることになります。
バックアップデータのないRAIDボリュームの場合には、リビルドを行わずにデータ復旧を行ったほうが安全です。
RAIDの構成によっては、ハードディスク単体で利用するよりも故障しにくいとは言えますが、RAID1以外の構成は、故障すると一般ユーザーでは手におえません。
RAID構成のハードディスクやサーバーを利用していても、いつトラブルが発生するかは分かりませんので注意が必要です。